はじめに
術後のご家族を支える食事作り。
「栄養は足りているか」「腸に負担はないか」「毎日メニューをどうしようか」──そんな悩みはつきません。
私の友人のご主人も腸の手術を受けた際、最初の頃は毎日の食事準備に追われていました。
買い物に行っては悩み、作っては「また同じメニューになっちゃった」と落ち込む…。
回復を願う気持ちが強いほど、支える人の負担も大きくなります。
そんなときに友人の悩みを聞いた私が提案したことで、役立ったのが 「作り置き」 でした。
一度にまとめて準備しておくことで、毎日の料理はぐっとラクに。ダンナさんも安心して食べ続けられるようになりました。
この記事では、友人が「本当に救われた」と話してくれた 術後食の作り置き活用アイデア をご紹介します。
術後食に「作り置き」が向いている理由
1. 毎日の負担を減らせる
術後は1日5食の少量分割食が推奨されることも多いです。
そのたびに料理を作るのは大変…。
作り置きがあれば「温めるだけ」で一食完成します。
2. 栄養バランスが安定する
その場しのぎで用意すると、どうしても栄養が偏りがち。
まとめて作っておけば「肉・魚・卵・豆腐・野菜」を計画的に使えて安心です。
3. 患者さんに安心感を与えられる
「次のごはんは何かな?」という不安がなく、同じリズムで食べられる。
術後は精神的な安心感も大切なので、これは大きな効果です。
作り置きにおすすめの食材と工夫
🐔 鶏ひき肉のそぼろ煮
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冷凍するとパサつきやすいので、冷蔵で2〜3日以内に食べ切る
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味付けは出汁+しょうゆほんの少し(薄味仕立て)
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とろみは冷凍に弱いので、食べる直前に片栗粉でとろみを追加
👉 「薄味のそぼろを作って冷蔵 → 必要に応じてとろみをつける」これが失敗しないコツです。
🐟 白身魚の下処理冷凍
タラやカレイなどの白身魚は水分が多く、そのまま冷凍するとパサつきやすい。
おすすめは 「塩+片栗粉コーティング」 です。
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切り身に軽く塩をふって水分と臭みを抜く
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片栗粉をまぶしてコーティング
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1切れずつラップしてジップ袋で冷凍
👉 解凍後もふんわり仕上がり、スープや煮物に入れるとほんのりとろみが出て食べやすいです。
🥬 野菜のコンソメ煮ストック
白菜・にんじん・玉ねぎをコンソメで柔らかく煮て小分け冷凍。
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舌でつぶせる柔らかさまで煮る
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コンソメはごく薄味に
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ジップロックで小分けにして、冷蔵で2〜3日保存可能
アレンジ
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そのままスープとして
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おかゆにかけて野菜あんかけ風に
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溶き卵を加えて卵スープに
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白身魚を加えて魚入りスープに
🥣 野菜ポタージュに変身
同じ白菜・にんじん・玉ねぎでも、ブレンダーでなめらかにすればポタージュに。
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かぼちゃを加えると甘み+彩り
じゃがいもを少し入れると冷凍でもとろみが安定
👉 見た目も味も変化するので「飽き」を防げます。
🥚 卵と豆腐の活用
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豆腐は冷凍に不向き。数日で使い切れる分を購入
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卵は万能!スープ、茶碗蒸し風、卵とじ粥など幅広く使える
👉 市販の温泉卵や卵豆腐も活用OK。
そのままおかゆにのせたり副菜にしたりと、手間なくタンパク質が補えます。
また、プリンなどの甘いものが苦手な方に卵豆腐や温泉卵を代用として使えます。
作り置きを活かした3日サイクル例
Day1
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朝:おかゆ+豆腐の味噌汁
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昼:白身魚のスープ煮(冷凍ストック使用)+かぼちゃ煮
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夜:鶏そぼろ煮(冷蔵ストック)+にんじんポタージュ
Day2
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朝:軟飯+温泉卵(市販でもOK)+白菜スープ
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昼:鶏そぼろあんかけ(食べる直前にとろみ追加)+やわらか煮野菜
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夜:白身魚入り白菜スープ
Day3
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朝:パンがゆ+卵豆腐
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昼:鶏ひき肉と豆腐の煮物(作り置き)
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夜:野菜ポタージュ+白身魚の酒蒸し
👉 この3日サイクルを繰り返すと、10日分も自然に回せます。
*1日5食の献立例はこちら
実際に友人が感じた変化
この「作り置きプラン」を伝えたところ、友人からこんな言葉をもらいました。
「前は毎日スーパーに行って悩んでたけど、作り置きとまとめ買いを始めてからは週に1~2回の買い物で済むようになった。
ごはん作りの不安がなくなって、気持ちがすごくラクになったの。
それに、主人も“今日はこれが食べたい”ってリクエストしてくれるようになったんだよね。」
看病する側が笑顔でいられると、患者さんにとっても落ち着いて過ごせます。
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この作り置き記事を読んで「もっと工夫を知りたい」と思った方へ。
シリーズで読んでいただくと、よりラクに・安心して食事サポートができるはずです。
まとめ
術後の食事は「腸にやさしい」ことが最優先。
でも、作る側にとっては「どう続けるか」が最大の課題です。
作り置きはその解決策のひとつ。
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鶏そぼろは冷蔵で薄味に
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白身魚は塩+片栗粉で下処理して冷凍
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白菜・にんじん・玉ねぎはコンソメ煮ストックに
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ブレンダーでポタージュにすれば飽き防止
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卵は市販の温泉卵や卵豆腐を賢く活用
小さな工夫で、毎日の不安が軽くなり、安心して回復を支えられます。
私自身、友人の経験を通じて 「支える人がラクになることが、患者さんにとっても一番の安心になる」 と実感しました。
もし同じように術後食で悩んでいる方がいたら、ぜひこの作り置きアイデアを参考にしてみてください。
無理なく続けられることこそが、回復を支える一番の力になります。
Kaicho / やまぐち のりこ
17年間管理栄養士として病院勤務後
自由に旅を楽しむために、時間とお金を同じ軸でデザイン中。
awabotaスタッフとして活動しながら、好奇心いっぱいにこれからの時代を探求しています。
「好き」と「仕組み」をつなげて、もっと軽やかに生きていきましょう。


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